またフィルムカメラブームが沸々も持ち上がり始めたけれど、現実的にはフィルムや現像代の価格も値上がりし、消えていくフィルムも存在しています。多くの企業が「フィルムを生産して欲しい、供給して欲しい」と言うんです。確かに消費が増えているからこそ、フィルムを買うというのは分かります。
しかし、それだけでいいのでしょうか。
フィルムを消費されたからフィルムを買いフィルムを売り利益を得る。確かに小売業としてビジネス戦略としては供給を増やすことで機会損失を減らすという点ではその通りです。
もっと消費される量を増やすにはどうするべきか考えたことがあるのか?と僕は疑問に思ってしまいます。消費される量を増やすことでフィルムが売れて利益が増えるわけではなく、フィルムの末端価格を安くするで売りやすくこと、末端価格を変更せず(少しは安くして欲しいですが)生産コストを下げて利益率の増やすことが可能なのです。
ではどうやって増やすか?
写真文化を盛り上げていくしかありません。絵画文化よりも写真の評価は低く、国内の写真家でもオリジナルプリント(写真を撮り暗室で印画紙に焼いたもの)が海外で2000万円が最高落札金額とカメラ屋さんから聞いたことがあります。つまり写真を焼いても億はいかないのがほとんどなのです。海外だと写真文化はありまして億円までいくこともあるんですが…。
日本人が写真集を買うのって実際グラビアアイドルぐらいだして、なかなか日本でお金を出してまで写真集を買うことはありませんよね。このあたりは教養の部分なのか分かりませんが。
フィルムを生産してもらうことももちろん大事ですが、もっとやるべきことは写真文化を盛り上げて、価値を付けていくことなんです。写真をやっていることにステータスを感じ、美術館へギャラリーへ、個展へグループ展へ、そして撮影へ、カメラもたくさんあるわけで、iPhoneでもいいから撮影をしてプリントしてもらう。
そこに創造的な価値を生み出せるかが、フィルムが延命できるかどうかの鍵があると僕は思っています。僕はプリントをしますし、Webギャラリーで立ち上げたり、メディアを通じて問いかけてみたりとしているわけですが、いかんせん、このことに気づいている人たちが少ないようでしてね。
写真家、カメラマン、写真屋、カメラ屋、メーカー、美術関連の企業、など数多くの働く人たちのお金に関わることなんですけど。福祉業界の徐々に賃金が上がり、ニュースで話題になったのは社会に必要とされたからです。
必要とされるものは残り続ける。たったこれだけの話です。カメラ屋、写真屋、企業が空いてるスペースで写真を飾って頂けるだけでも価値の創造に繋がります。色々頑張ってやっていきましょう。
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